数年前にインドネシアのバリ島の山の中で出会った、世にも美しいコバルト・ブルーの『実』をご紹介させてください。
トップの写真は、山の中を歩いていて発見したところを撮影したもの。枯葉の茶色とのコントラストで、目を見張るような鮮やかなコバルトブルーでした。
このあと熟した実は、これまた鮮やかな紫色に変化します。見た事もないような発色の明るい紫色でそれもとっても綺麗です。
この美しい実がなる樹木の名前はBlue Quondong。一般的には『Blue Marble Tree』(青マーブルの木)で通っている様です。
学名は「Elaeocarpus angustifolia」・「Elaeocarpus Grandis」になります。
Elaeocarpusは全部で60種類ほどあるそうです。
調べてみると、オーストラリア産であるという記述も多かったのですが、実際にはそうでもないらしく、ハワイやその他の亜熱帯多雨林の川辺などの水際で生息している樹木だそうです。
春には白い花が鈴なりに咲き、その後に美しいブルーの実ができます。濃い緑色の葉っぱが「黄」や「赤」に紅葉した姿も非常に美しいです。
青だけでなく、黄、赤、緑、白、茶色、紫、と、一本の木で季節をとおして様々なカラーを楽しめますね!
真っ青な実はフルーツとして食べられるのですが、実が薄いので人間にはあまり食されていない様でした。でも、小鳥たちにとっては大好物!
オーストラリアの原住民達は、この実をすりつぶしてペースト状にし食しているとのことでした。
たまたま見つけたサイトで、この青い実をソースにしたりジャムにする食べ方が紹介されていました。それだけで食べると口の中がとても乾く感覚があり、あまり心地よくはない、という感想が書いてありました。
他の食材と合せたソースの方はそんなに悪くなさそうでした。実が薄いのなら作るのも大変そうですね。
インドでは、同じElaeocarpus種の中の1つであるElaeocarpus ganitrusは、聖なる樹木とされているそうです。
だから実を乾かして祈りに使うネックレスやブレスレットとして使われてきたということで、現代でも売っているのを見かけます。数珠のようにして、“聖なる音”を出すためにも使われるとのことでした。
オーストラリアの原住民達も、乾いた実を数珠のように繋げて祈りを捧げる時などに使われているそうです。
ブルー・マーブル・ツリーはとても成長が早く、12m〜25mの大きさまで成長するそうで(50mまで成長するという記述もみかけました)。日本の住宅の庭にはそぐわないサイズですね。
彫刻のような幹がこのように↓地上に現れる形で育つし、横幅も5m〜〜10mの範囲で広がるそうです。