妖精のような淡い桃色のお花を咲かせる宿根草『ゲラニウム・ピオポコ』の、我が家で起こった悲劇を聞いてください(涙。

あなたは、自分以外の誰かにお庭の雑草抜きを頼んだことがありますか?

米国バーモント州の30万坪の広大な土地に自然な庭を作った園芸家/絵本作家のターシャ・テューダー(Tasha Tudor)さんが、おっしゃっていた言葉を今も覚えています。

「鶏のチカホミニーは雑草抜きの名人、他の人に頼むと大切な宿根草の芽までとってしまうから、私は他の誰にも雑草抜きはやらせない」と。

私のお気に入りDVDの中で、そんなようなことを語っていました。『NHK 喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー四季の庭DVD永久保存ボックス

(ちなみに、チカホミニー(Chickahominy)とは、ヒナの頃から自分のセーターの中で暖めて育てた雄鶏。ターシャさんの膝の上でお茶を一緒に飲んだり仲良しな姿がDVDにありました。)

ターシャさんが言っていた印象的なこの言葉をすっかり忘れていた私がおバカでした。
 

雑草抜きを他人に頼んでしまったら…

 
トップの写真は、一昨年の『ゲラニウム・ピオポコ』の様子です。植え付けしてから5年ほど経っていて、見事に群生していました。

2年前にお隣さんが空き家になってから我が家にも雑草がひどくはびこってしまい、このピオポコの合間に、グラス系の雑草が生えてきてみるみるうちに増えました。

この夏は尋常ではない暑さで、手入れを怠っていたため雑草が生え放題に。そして、ついつい家人@庭に興味なし、に応援を頼んでしまいました。

「この草みたいなのだけを抜いてね」と説明して、あとは自分の庭仕事に熱中してしまったんですよね。

しばらくして様子を見に行ってみたら、大きな根っこの塊を誇らしげに見せて「この雑草すごかったよ!こんな根っこを張ってたよ!」と。

嫌な予感がしたんです。だから根っこの塊は捨てずにその場に放置しておきました。

後日、その根っこの塊を見てみると、なんと!ゲラニウム・ピオポコの可愛らしい葉っぱが出てきていました。

ガーン😨😨😨😨😨😨

家人は、雑草グラスを根っこごと除去しようとして、カーペットのように大きく広がっていたゲラニウム・ピオポコもろとも全て撤去してしまったんです!!!

すでに他界されたターシャのありがたいお言葉をすっかり忘れていたことを、深く深く後悔しました。
 

ゲラニウム・ピオポコを復活させるプロジェクト

 
家人が斧でカットしていたため、かなりグッチャグチャになった根っこのかたまり。

ピオポコを選別して戻しても元の状態に戻るかどうか…..。

でも、必ず元どおりの景観にすると決めました!この場所にぴったりの植物だったんです。

他の種類のゲラニウムも過去に試し植えしてみましたが、この庭の環境には合わなかったようで全滅。だからピオポコは貴重な存在なのです。

芽を出す頃から開花期頃までは日当りの良い場所を好む植物です。ただし、真夏は半日陰になる場所がベター。我が家は午後から日陰になる場所に植えてあります。

ピオポコは5月から7月に淡いピンク色の花を咲かせます。花びらは白っぽく中心がピンクで、こんな感じ↓です。
 

 
派手さはないですが、群生するととっても可愛いですよ。

植えっぱなしで一度も肥料を与えていなくてトップの写真のような状態になっていました。背の高めのグラウンドカバーにもなりそうですね。

丸みのある葉っぱは手のひらみたいで、7裂片の深い切れ込みがあり、葉に触ると柑橘系の香りがします。葉も花も愛らしい植物です。

『クロアチアの ビオコボ山脈(Biokova Mountains)で自然に発生したものが発見された』という文献がありました。

そんな遠くからやってきた植物だと思うと、感慨深いものがあります。

これから、ゲラニウム・ピオポコの再生に向けてがんばります!
 
 

Plants Note:

 
▼————————————–▼
ゲラニウム・カンタブリギエンセ・ビオコボ
学名:Geraniumxcantabrigiense Biokovo
英名:Cambridge cranesbill , hardy geranium
フウロソウ科フウロソウ属/Primulaceae
花期:中5~7月
耐寒性半常緑宿根草(多年草)
草丈:20~30cm
関東では常緑で霜にも負けません
▲————————————–▲